ヨーヨーマの最新ビデオに出演しています

2019年が明けた1月、チェリストのヨーヨーマが The Bach Project の名付けた世界36箇所でのコンサートを巡る演奏ツアーのプロジェクトの一環として一環としてミュージックビデオ「Culture of Us」をリリースした。ヨーヨーマ。この類稀な演奏家は演奏のみにとどまらず、文化活動を世界に発信している。個人的にかつてから注目しているヨーヨーマがハーヴァード大学のビジネススクールと共に取り組んだプロジェクトであるSilkroad Project (記事)は音楽で東西を結ぶ、聞く者に豊かさを与えてくれるプロジェクトだった。このヨーヨーマの最新ミュージックビデオに参加できたことは私にとって大変意義深いことです。

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チェロによるバッハの無伴奏は、若い頃から大好きで、ヨーヨーマの演奏の素晴らしさに触れたのもこの曲がきっかけだった。18くらいの時だったか。

それ以来、ヨーヨーマのこのバッハの無伴奏はお天気のいい日なんかに「ああ、幸せだなあ」と感じる時、一杯のコーヒーと共に流す。これほどの幸せがあろうか、という気持ちになるのである。

さて、2017年から始めたバレリーナ坂口忍さんとの創作活動は、東京と飛騨という物理的な距離もあって完成に1年を費やした。2018年の夏に出来上がった。

Lumiere」on YouTube 

2016年に、東京から飛騨まで一緒に来てくれた大切なバディーである愛犬マルセルが6歳という若さで亡くなった。この時の経験と、「世界は、人生は、光で満ちている」という愛犬マルセルが気づかせてくれ、体験させてくれたように感じたテーマを取り上げて作品を作りたいと思った。カナダ国立バレエ学校時代の仲間の坂口忍さんが、ヨーロッパのバレエ団との仕事に区切りをつけて帰国していることを知り連絡。一緒に作品作りに取り掛かることになった。使用したいと思った音楽はサン=サーンスの「白鳥」これは、クラシックバレエの世界では言わずと知れた「瀕死の白鳥」という短くも鮮烈な印象を残す作品に使用されている曲で、一羽の白鳥の最期が描かれている。この名作を、解釈を加えさせて頂き、映像作品とした。

創作活動を始めるにあたってまずは音楽を聴き込もうと、YouTube で検索したところ目についたのがヨーヨーマが昔にパリで演奏した音だった。この音を聞いた時に、今まで「白鳥」の音楽に抱いていたイメージが一変した。バレエ作品の印象が強過ぎたため、今までは「死に行く一羽の白鳥」の姿しか思い浮かんでいなかった。ヨーヨーマの演奏を聴いた途端に、目の前に、煌めく湖畔の情景が広がった。その広く、穏やかな景色の中に、一羽の白鳥が静かな水面に軌跡を残しながらゆったりと泳いでいく。そんな情景が浮かんだ。湖畔を俯瞰するその視点は、あたかも人生を俯瞰しているような、そんな感覚だった。「世界は、人生は、光で満ちている」というテーマが定まった思いだった。(ヨーヨーマの「白鳥」)

映像作品を作る際にヨーヨーマの演奏以上、というか、彼の「白鳥」の音楽への解釈と類似するものが見つけられず、ましてや著作権がオープンな音源がなく苦労した。本心としては、もちろん、ヨーヨーマに演奏して欲しかったけれど諦めていた。

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作品が仕上がり、しばらくした頃だった。日頃からヨーヨーマの文化活動に共感を感じていたこともあり、彼の人となりが大好きだったのでツイッターでフォローしていた。そして今回の”Culture of Us”の映像募集がかかったのだ。とてもヨーヨーマらしい、シンプルな呼び掛けで。

“Show the world how you express yourself and what brings your community together.”(あなたが自分自身を表現する方法は何ですか?そしてあなたが住むコミュニティを束ねているものは何か、世界へ伝えてみませんか)

送ってみたのだ。愛犬マルセルからのインスピレーションとヨーヨーマの演奏が私にくれた情景を元に作った作品を。

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そして2019年の新年。ヨーヨーマとヨーヨーマのチームから出来上がったミュージックビデオが送られてきた。世界の、未だ会ったことがない、行ったことがない場所の人々が、それぞれにハートを開いて生きていて、文化を奏でている。その輪を、ヨーヨーマが演奏するバッハの無伴奏が繋いで、広げている。この一部となれたこと。これ以上ないメッセージを掲げるミュージックビデオに参加できたことは、嬉しくて、涙なしには見れませんでした。

“Culture-the way we express ourselves and understand each other- can bind us together as one-world.” Yo Yo Ma
「文化。それは我々が自分自身を表現し、お互いを理解し合う方法である。

そしてそれは、ワンワールドとして私達皆をひとつへと束ねていく」ヨーヨーマ

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#cultureconnectsus で様々な記事や世界中の人々の感想をツイッターで閲覧できる。

“Yo Yo Ma’snew Bach’s video is the most beautiful thing we’ve ever seen” by Elizabeth Davis 記事

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去年末から新年にかけて、仲の良い友達と密教の歴史に関する詳細な情報のやり取りの中で、西洋と東洋と一般に分けて考えられている宗教や文化は、歴史を細かに辿ってみればみるほどに、実は明確な隔たりがあるもにではなく、皆が共通の感覚を共有しているのではないか、とそれぞれの考えなどを交換していた。今回ヨーヨーマのミュージックビデオへの参加を機に、世界の多様な文化と、その根底に流れるアーキタイプ的なコンテキストを、踊りを通して研究し、作品として昇華させてみたい気持ちになった。これを形にするためには、日々の忙しさの中でかき消されてしまわないためには、ある程度企画化する必要がありそうだと考えている。完成には時間がかかると予想しているけれど、今年中には企画を開始しようと意図している。

ヨーヨーマが発信してくれた大切なテーマ。ワンワールド。ひとつの世界。そう。私も、そう感じる。作品化していく中で、自分の中にある分離や他を受け入れない気持ちにも対峙していくことになるだろう。そうやって、生きた作品作りを、人と関わって、繋げて行きたいと思う。

ヨーヨーマの「Culture of Us」on YouTube

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コメント

  1. 藤原 より:

    濱口さん
    お久しぶりです!
    今日、濱口さんのご近所の伊織くんに会い、ママから濱口さんの活躍振りを伺いました。すごい、すごい!!
    そうくん、ようくんもお元気で何よりです。
    ご活躍を祈ってます!

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